あれはたしか、2度目か3度目くらいの、1人でぶらりと飯岡を訪れた時のことだったと思いますが……。
嶋田釣具店を訪れた時、ご主人と奥さんが秘蔵している『打ち上げ花火』の台本を見せてくれたんですよね。
当然、
(こここ、これは……貴重な資料だ……!)
となる訳ですよ。
(もっとも、後年、まったく別の筋から台本を譲っていただくことができた訳ですし、現在であれば「豪華ブルーレイBOX」に監督の縮刷版がついてきますけど……)
転瞬、わたしは財布を「どん!!」と出して、
「これを預かってください! そして、この台本をコピーさせてください!」
そりゃまあ、途惑いますわな。
たぶんその時のわたしは、なずなのお母さんのような形相をしていたと思います。
コピーするには、コンビニまで行かなければいけない。
そのためには、一度貸していただく必要が。
しかしそのままトンズラされたら……という不安があるはず。
となると、手持ちの中で「そのまま持ち去りませんよ」という担保にできる貴重品は、財布しかない訳で。
もちろん、ファンの中には「財布の中身ごと失っても惜しくないほどこの台本が欲しい人」がいるかもしれませんし、たかがこれだけでは担保には程遠いかも、とも思いましたが、他に価値のあるものは財布しかなかったので。
「財布どん!!」をした瞬間の、嶋田さんご夫妻の目を白黒した表情が忘れられません。
いや、普通、ひきますわな……。
わたしが嶋田さんの立場なら「この人、何を言ってんの?」と思うに違いありませんし。
しかしここで思い切った行動ができちゃうのが、ファンの煩悩のなせる業。
財布から、コピーに必要な金額として、千円札1枚か2枚だけ抜き取って。
コンビニでコピーして、戻るまで1時間くらいかな。
あまり長引くと、不安がその分ふくらむでしょうし、とにかく大急ぎでコピー。
とはいえ、思いのほか時間を喰っちゃいましたけど。
こういう人、多分わたしだけじゃなかった気がします。
こんな人間でも、次回以降また快く迎え入れてくれるばかりでなく、年賀状でのやりとりもしてくれるようになるほど、嶋田さんには本当によくしていただきました……。
コメントを残す